大判例

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東京地方裁判所 昭和29年(ワ)2552号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と判断〕原告は、被告は金銭の貸付等を目的とする株式会社でその資金は一般大衆から借入れるもので、右借入方法は (甲)五千円又はその倍数の一定金額を一時に借入れ借用期間は六カ月とするもの (乙)五千円又はその倍数の金額を定め十カ月内に毎月一定の日にその十分の一宛金額を受入れて所定金額に達したときは、被告はこれを貸主に返済する。但貸主はいつでも中途で解約することができる。この場合は、被告は既に受領した金額の合計を直に返済する、とするもの。(丙)五千円又はその倍数の金額を定めその五十分の一又は百分の一宛毎日受入れ(但最初は契約金として三日分を一時に受入れる)五十日又は百日後の納期に所定金額を返済するとするものがあつた。原告等は被告に対し夫々甲乃至乙の方法によつて貸金をしたと主張した。被告は消費貸借契約の成立を否認し、被告は原告等の申込を受けて被告会社の株式の譲受を斡旋し、原告等はその株主となり、株券を受領してその保管を被告に委託しているものであつて、被告が原告等から受領した金員は株式譲受代金にすぎない、と抗争した。

判決は被告の主張を排斥し、銀行業法を潜脱するため借入金を被告会社株式譲受代金受領の如く仮装したもので、その体実は消費貸借であるとした。曰く、

「被告会社は一般人より金員を受入れて上記金員貸付等を業とする会社であり、被告が大衆より資金を受ける方法としては原告主張の(甲)乃至(丙)の借入れ方法によるものを通例としていたものであるところ、原告等は(甲)乃至(乙)の約旨に従つて夫々被告に貸付をした。被告が不特定の多数人から資金を受入れることは法律に触れるというので、これを潜脱するため前示各借入金を被告会社株式譲受代金受領の如く仮装することとし、右資金借入の際、被告の外務員は原告等名義の株式譲受申込書、株券保管依頼書、有価証券移転書、譲渡証書、株主総会出席のための委任状等の書類を原告等から徴すると共に、原告等に対して特定株主定期資金領収書等の書類を交付していたが、すでに述べた通り右は全く仮装のものであつて、株式の売買とか、或は積立金が満額に達したときは株式を譲渡するとかの契約はなく、現に満期となつた他の受入金に対しては現金を以つて返済し株式を譲渡したことはないこと、したがつて、原被告間の上敍金員の授受はその形式に拘らず、原告等から被告に対する貸金としてなされたものであると認められる。」

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